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千歳の報告(その6) 基調報告4 勤労と労働

千歳の報告(その6) 基調報告4 勤労と労働_e0040515_21215220.jpg  全道教研では上手い絵を描こうではなくて、一番人間形成に関わる教科ではないか。真っ黒になっている絵に、頑張りすぎて穴があいてしまった絵に、どんな思いがあったのか。それは失敗ではないのではないか。人間形成のどこに関わるか。 
 図工美術はまず、文化と芸術に直接教える教科であります。そのほかに。

1 生きる力を養うために図工美術がある。子ども達がどこかで失敗する。それをどうやって失敗を直そうか、考えて乗り越えていく。一つの人生の縮図みたいなもの。みなさんもありませんか。7時に帰ると言って9時に帰る。そんなことありませんか。間違ってもそれを何とかしていく。それが人生。ぶつかったときに「ようし何とかしていこう」という気持ち。そのエネルギーが不足しているからそれが問題。悪いことして見つかって。失敗して、ケガをして、木が割れて何とかする。

2 作る喜び、人間には自己満足がある。昔の棟梁に頼んだら、壁を作ってから全部張り直させた。自分のこだわりなんですよ。3万も4万も損するんですよ。僕はいいのに棟梁自身が満足出来ないので貼り替える。自己満足、自分でやり直すかどうするか葛藤する。物事には勤労と労働がある。掃除当番は勤労。やらせられるのが勤労。自分で進んでやるのが労働。私達は図工美術を勤労にしていないか。ものづくりの基本は人を喜ばすこと。「わーきれいだね。」人に対する思い。そこから自己満足。それが作る喜びの基本。作って自己満足に向かっているのかその質が問われる。

3 デリケートな心。一番欠落している、1枚の葉っぱが道路に落ちている。虫が食っているなど、命の営みがある。そういうことをその気で見ないと気づかない。今の子は農家の子なのに田植えの時期を知らない。お月見の団子など、デリケートな生活の基盤がなくなってきている。せめて図工美術の中でそれをとらえる工夫が必要。デリケートなはさみで息を止めてまっすぐ切る緊張感。人の作品の中にあることを気づく。全国でも先生が気づくべきだった。

4 自立心。自分の力で作る喜び。先生が刺さり込むほど先生に教えられて作ったということになる。いかにオレが作ったという気持ちを持たせられるか。

5 他人の作品から思いがわかる。自分の作品をわかってもらえる。おじいちゃんは猫、父さんは○○、先生はネズミといった。先生はすごいな。という作文。先生は知っていたが、子どもはそれを喜ぶ。自分がやりたいことがわかってくれる喜び。表現を通してわかってくる。その5つがカボチャの絵を描かせたときにどれに関わるのか。一緒に語り合うなり寄り添うことが必要。
by nobuhiroshow | 2007-10-07 21:23 | 全道教研


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