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風神雷神との対話 成果と課題

 この対話式の鑑賞の授業はいかに生徒の声を拾い上げて、作品への多様な見方や思いを交流していくかが課題である。生徒の声をいい悪いではなく、全て認めていくとことで多様な思いを言いやすい雰囲気をつくりだし、お互いに認め会える環境を作る。その上で、さらに深い鑑賞に結びつくような教師側の働きかけをおこなっていく。
 今回は、東光中学校から実物大の『風神雷神図屏風』の複製品を借用しての鑑賞を行った。美術室を遮光して、ろうそくを灯して美術室に入った瞬間から鑑賞がスタートする。その作品との出会わせ方については成功で、授業の最初から作品の世界にしっかり入って生徒達が鑑賞することができたと思う。肝心の対話であるが、教師側の教え込みにならないように配慮しながら、あくまで生徒の気付きからの展開で、屏風に描かれた両者が何者で一体何をしているのかという最初の投げかけで意見交流をしながら作品について語り合っていった。
 反省点は、あまりにも有名な作品であるので、目の前の作品からではなく風神雷神という題名から考えてしまう生徒がいたこと、対話の中でもっと余白の美や絵の外側(雷や風により被害を受ける人間や、自然観など)へ気づかせるような投げかけや導きをどこまでするべきなのか、しないべきなのかという課題が残った。

今回は校内の授業交流週間の一環として他の先生にも授業を参観していただいた。その反省である。美術科を理解してもらうアピールにもなったと思う。こういう機会を積極的に利用し職場での理解を深めることも重要だと思う。
by nobuhiroshow | 2006-11-07 07:00 | 鑑賞


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