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稚内の報告(その6)  聴診器で幹の音を聞く

小学校の発表の続きです。

○お悩み相談です。大人が見ていいという絵を描かせる実践をしていました。先生のいいという絵を描くようになり絵が嫌いになっていきました。他のクラスでは酒井式の実践で楽しそうに描いている様子を見て、小規模校でしたが図工について全校で研究していました。「現行の指導要領は放任ではないか、誰でもできる指導法が必要ではないか」と教育課程研で質問しました。題材が楽しい時間なら粘土でも絵でも何でもいいですよ。そのときそのとき指導すればよいですよ。絵の具の指導を一斉指導する必要ないですよ。発達段階に応じて系統だして道具の使い方を教える必要ないよ。技能的なことを教える必要ないですよ。「道具を紹介するだけでなく使い方は教えなくて良いのですか」、「そうでもいいよ。他の友達が使っていて、やりたかったらそれでいいです」。「お人形さんみたいな絵をどう指導すればいいのでしょう」、「上手く描きましょうではなく本物っぽく描きたいね」と教師のねらいを話してみたら、誘導ではなく。これらのことは小規模校ならできるかもしれないが大規模校でできるのか。

稚内の報告(その6)  聴診器で幹の音を聞く_e0040515_2522434.jpg○ どうして人は絵を描くのか。専門は社会です。ラスコーのアルタミラからどうして絵を描いたのか。子孫繁栄や狩猟成功を願っていたのでは、見たもの思ったものを表すのは人間だけに備わった天賦の才能なのでは。どうやって子どもの思いを耕せるのか。なぜその題材なのか。思いを耕すためには、自分で体験したことから思いが出てくる。学校のカラマツ。学校のシンボルツリーじゃないですが、近くに立派なカラマツがあるので描かせました。今回この絵を描かせるのに、聴診器で幹の中の音を聞く、若干シャーシャーと音が聞こえる。手触りや匂い。「クワガタのにおいがするね。」「色もオレンジ、黒、茶色などいろんな色があるね」。葉は緑色、黄色などあるし、とげとげになっている。体験するだけでなく言葉に書かせた。そこから絵を描かせた。割り箸ペンで描かせると面白いよと先輩の先生から教えてもらってやってみました。文章に書かせたことがどれだけ表せられたか。言葉でうまく伝えられなくても、絵にすると強く伝えることができる。

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本当に聴診器で幹から音が聞こえるのか?そんなこと思ってもみなかったので衝撃でした。根から水を吸い上げている音なんでしょうか。諸説あるようですが、とにかく木の生命感を強く感じて子ども達は絵を描いたそうです。
by nobuhiroshow | 2005-11-15 02:49 | 全道教研


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