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造形遊びの研修

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 8月26日に行われた『創造する喜びを味わわせる図工・美術実技「造形遊び」』という研修に参加してきた。上川管内及び旭川市の教員対象の研修講座である。参加人数は6名。

 まずは教育大学の名達先生の講義。
 造形遊びは、理解されない、ゴミが出る、認知度が高くないというイメージがあり、あまり実施されていない現状がある。(それについては鑑賞も似たような側面がある。庄子の感想)
 作品は残らないので評価に困るという声。そこはプロセスを見る。(これについては、造形遊び以外も同じこと。庄子の感想)

言葉かけは「ウマいね!」だけですか?
これではウマいかヘタかだけだと、図工嫌いの原因になってしまう。

ウマいかヘタかではないものとは何か?

ここで具体例。
針金100mででっかい繭玉(よーするにぐるぐる巻き)を作った。
S「先生見て!」「どうだよ」
T「ダイナミックだね。君にしかできない」
T「それで、これ何?」
S「わかんない」
と夢中になって語る。

わからないけど、
父「すげーなこれ」とそれを認め、玄関の吹き抜けの天井からぶら下げる。

ウマいかヘタかではなく、心が通うもの。作った人を認める力、自己肯定感と喜びにつながる。

今回の改訂学習指導要領では、文言はそれほど変わっていないが、内容は大きく転換した。
 それ迄避けていた「感性」という言葉を明言したり、「つくりだす喜び、基礎的な能力を育み」だったのが「培い」と変化している。
 育むのは、教師が育てるという意味。
 しかし、「培い」という言葉は、植物や動物のように自らが自らを育てるという意味の言葉であり、本来持っている子ども自身の力を自分で育てるように、教師が関わる、つまり支援していくという内容になる。
 たった一つの言葉の違いで、全く意味が変わっている。

 粘土で作品を作る。それまでずっと外の風景を見ていた子どもが、いきなり作り始める。その子の中で、何かがそのときブレイクする。(名達先生はよくこの言葉を使う)これを教師がいかに見ていくか。

 単なる作品作りではなく、西洋だと、美術は哲学の領域まで含んでいる。

 「造形遊び」と「つくりたいものをつくる」の違いは何なのか?
 それまで疑問だったが、材料や行為があって、思考判断し、そこに想いが加わって表現してくのが造形遊び。
 それに対して、絵や立体など、作る目的が既にあり、どのように作ろうかと想いを巡らし、そこに材料や行為があって表現していくのがつくりたいものをつくる。

まずは面白そうだと思ってもらいたい。大事なのはわくわく感。わくわくしましょう。

ここまで理解すると、中学校でも造形遊び的な取り組みは必要だと感じる。
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by nobuhiroshow | 2009-09-19 08:40 | 造形遊び


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