![]() 昨日案内が届き、今年も8月10日(火)〜11日(水)にかけて深川で熱く美術教育を語ります。 深川市のアートホール東州館を会場にして、子ども達の作品を持ち寄り、「上手くいかなかったり、どうしてよいかわからないといった本音を語り合うことから何かを見つけ出そうとすることがねらい」です。作品を通して見えてくる子ども達の姿を考えながら語り合う事を目指しています。 今年で第6回目の開催となるこの『熱く語る会』。主催はアートホール東州館と空知美術教育研究会(空美)です。 今年のテーマは「今、子どもたちにどんな美術教育をするのか」です。 参加費は1000円。宿泊希望の場合はコテージだと2000円、ビジネスホテルだと7000円位、夜の交流会参加は2000円となります。 日程は10日(火)が10時〜15時 新教科書を検証、15時〜16時 「美術教育とは何か」理論研究 11日(水)が10時〜12時 教材の研究、13時〜 実践研究・語る会 となっています。 申し込みは7月末迄に 深川市アートホール東州館 館長 渡辺 貞之まで Tel 0164-26-0026です。 お薦めは、作品を持ち寄って意見をもらうこと、そしてコテージに宿泊して、夜通し熱く語り合う事です。 この夏、深川で熱く語りませんか? 写真は去年の様子から。 最後に自分の実践の発表である。時間もないので駆け足で説明。2年生の版画。ドライポイントである。前年度までは『自己を見つめて』という題材名で、自画像を描いて、ドライポイントで版画として表現するものでした。 まずは、目、鼻、口、眉など各パーツの練習から取り組み、パーツのバランスを整えて正面の顔を描く練習し、自分の表情の変化などもつけながら、自分の内面がにじみ出てくるような作品を目指そうとしていました。しかし、大量に出来上がるのが正面の顔の作品であったり、似るか似ないか、良く描けているかどうか、巧いかどうかというどちらかというと技術的な部分に目がいきがちで、子ども達にとって、果たして良い活動といえるか疑問も芽生えてきていました。 そこで、教研などの美術教育に関わる様々な考えに触れるうちに、何かいい方法がないかと考えて昨年取り組んでみたのが、この『自分が輝く瞬間(とき)』です。たしか、小学校の先生の取り組みで、こんな題材名があったと記憶しています。 「自分が輝く瞬間(とき)ってどんな時だろう?」。「幸せを感じるとき」、「夢中になっているとき」などを思い返してもらって、最初の1時間は作文を書いてもらいます。そして、その作文をもとに絵を描いてもらい、画用紙に下描きします。自分が部活動に打ち込んでいる人は、部活の道具を持ってきたり、家からペットの写真を持ってきたり、お互いにポーズを取り合ったらりしながら、美術室が和気藹々と楽しい雰囲気になってきます。 作品としては、今まで人物を描く取り組みをしてなかった部分もあるので、人体が描けなく、技術的には上手な作品は多くはありませんが、絵を描いている子ども達の気持ちの部分では自分のこんな部分を描いていこうという前向きな気持ちや、こんな時の自分ってすごい夢中で楽しいんだということをお互いに見せ合ったり、見合ったりと何だかいい雰囲気を沢山感じました。 語る会の夜には、下描きの絵を描き終わった時点でもう終わっているのではないか、19時間ほどかかったことに対して、時間を掛けすぎではないのか、版画カレンダーなど版画の特質である複数性を活かしていないのではないか、などの意見ももらいましたが、画用紙に鉛筆で描いた下描きと版画のドライポイントの線彫りとインクの黒の濃淡の強さで、版画でしかできない表現になっているのでこれはいいのではという意見ももらいました。 まだまだ、改良していかなければならない面もありますが、今後とも工夫していきたいと思います。また、貼った当初はあまり見られませんでしたが、先日の学校祭の後などには、廊下に貼った友達の作品を見ながらあーだこーだ話している様子もあり、貼ったことも良かったなと思っています。 ![]() 美術教育を熱く語る会の報告を延々と30回、約1月に渡っておこないましたが、ここまで読んで頂いた方ありがとうございます。この熱く語る会を通して、自分一人だけで考えるより、こんなオープンな場でなんだかんだ意見を言い合っていくことが、お互いの実践を高めていくためにとても重要だと思いました。 この実りの多い熱く語る会。来年も8月10日、11日に開催される予定ですので、興味をお持ちの方は是非来年参加して頂きたいと思います。 ![]() 『 私のいる情景』。2年生。全道造形からの引き続き。 3枚の同じ構図、色の絵。に対して。ここまで同じ絵はなかった。 3時間目から下書き、4時間目から着色で進めました。下書き終わらなかった子は筆で書き進める。それから4時間で完成。 手の作品も、『わたしのいる情景』も、開場使用の時間をオーバーしながら駆け足で語る。なので記録もおぼつかない。 この『わたしのいる情景』は4年前の滝川での全道造形研での実践の進歩させたもの。自分自身をどう表すか? ということに対しての一つの方法である。自画像だけが自分を真っ正面から向きあって表したものではない。自分の顔がなくても自分の心情を表せる。4年前の実践を改良し続けた先生のひたむきさに頭が下がる。 ![]() ・彫塑が出来ないので、手をデッサンさせた。テーマ性のある手。手首から先が長い。 ・なぜ画用紙でないのか。(作品はケント紙) ・子ども達が好むから。 ・カタツムリの線とか、グラデーションとか指導で出し過ぎていないか。 ・自分ならシンプルに明るい暗いをシンプルに発見させればいい。線のスピードも。もっと短い時間でも出来るとも思う。 ・イメージスケッチも必要なのかな。 ・作品なんだよね。 ・消しゴムを描画剤として使えるのにあまり使っていない。 ・この手は何を言いたいのという部分を大事にしている。1年生の終わりと2年生の初めで描いた作品。 (※作品にタイトルとサインが入っている) ・ドラマが入っているからいい。教研でもただ、手を描いているだけの実践がある。それだけ、デッサンも甘くなってくる。 ・友達評価ってどんな頻度で行っていますか。 ・机の上に置いて、定期的にやっています。3ついいところをあげる。全員が当たるように。 ・台紙に貼って解説も書かせるといい。
・いつから靴を描こうという実践があったんだろう。
・部活の靴を描くときには凄い靴を描く。その絵を描く必然性がある。どんな動機付けをしたんだろう。 ・けど、それはウソだと思う。だから靴の題材は捨てた。 ・絵として描かせることによってわからせる。 ・なぜ靴の一部分が変色しているのか先生はわかっているのか。子どもがそのことを語ったのか。 ・靴は形がゆがんでいて、多少崩れていてもごまかせる。 ・くさい物を描くということもやったことがある。 ・くさいと言っても自分のにおいなんだから。 ・単純に何で靴を描くの。1年生の最初なら靴も新しい。 ・新しい靴は描きやすい。けど、持っている物に、描く意味を見いだすよりも、描きたいものを描かせる方がいい。作品とは生きる証だから、やばくない物を描かせるべき。 ・けど、敢えてこれを描かなくても描きたいものはある。 ・自転車を描くということに喜んだ。 ・部活の靴って言うのはそれを使っているという感覚がある。 ・部活の靴っていうのはそれを描いて部活をやっている。7月なんてモチベーションが下がる。題材の最後に、この授業を通して感じたことやわかったことなどをコメントに書かせている、理性と感覚のこと。全部技術的なことを書いてきたら、それは悔しい。観点でABCというのもあるけれど、ボーンと言葉で書いてもらった方がわかりやすい。 ・先生の視点が描いている絵にいくのではなくて、人にいけばいい。全国教研なんかだと、描いた後でどんな変容があったかが問題になってくる。 ・ただ、3ヶ月でよくここまで描かせている。形がゆがんでも誠実に描いている。 ・同じ題材でただ、貼っておくと比べちゃうよね。 ・向きは? ・横向きがほとんど、真後ろは難しい。 ・逆だそれは、後ろからの方が思い入れのある方がある。 ・でもデッサンとしてなら効率のいい方がいい。 ・照明はどうなのか。 ・蛍光灯つけていました。 ・それなら、生徒の席に座ってみることをお勧めするね。 ・靴に足をかいた子には「エー何それ」と言うと、消した。 ・靴の置き方も工夫できる。 ・靴に会話させると面白い。右の靴から左の靴に。 ・中学校で5時間もかけてデッサンを上手くするのならどうかと思う。 ・出なければクールに2時間で、光りの方向も含めてしっかりやる。知識だからスパッやる。 ・子ども達がきちんとやってくれる。 ・それが子どもに伝わっている。 ・拡大器を使って直した線を見せて、インタビューするとそのことを学ぶことが出来る。 ![]() 1年生の初めの題材で靴です。欲張って、鉛筆のデッサンに着彩。何を目的としていたのかぼやけてしまった。また、時間に追われてしまった。私の都合で進めて終わってしまった。本人の満足度は低かったのではと思う。あと、この子は同じ時間をかけて、内向的な男の子なんですが、部活のせいで明るくなった。鉛筆描きの時はのりのりだったのに、ある時から全くのらなくなった。そっくりに描きたいという思いが強かったようなのに、適切に指導出来なかった。 ・どうして片方なんですか。 ・時間の問題です。 ・床に置いたんですか。 ・机の上に紙を置いて描かせました。 ・導入できちんとやったつもりでも今後どうしようかなと思っている。 ・買ってすぐの靴なんかもあるけど、靴について投げかけて描かせてみた。毎時間その投げかけが必要だったのかわからず、最初だけにした。5回続けました。1ヶ月間やりました。 ・なら言ったほうがいい。自分の上靴という理由なのか。汚い靴を敢えて描く理由。正確に形を描くのではなくて、「ここ何? 何でここに染みがあるの?」と聞いて語らせる。それでいい。擬人化されてくると成功。靴について。上手に描くことではない。絵というのは上手に描くためではなくて、そういうことを気づかせることを目的とすること。だから、これを廊下に貼らなくてもいい。並べて貼ると写実的に上手い物を探してしまう。 ・表現上の問題しか最後のまとめを描かせなかった。 ・それも問題。
その子はアニメの物語の世界に住んでいる。その物語の何百種類あるキャラクターを見ないで描ける。よく見ると、紙だけでなく、空中に指で描いていることもある。現実の世界とアニメの世界がそこにもある。完全にアニメとリンクする世界から、成長と共に自分もアニメも客観的に見れる世界に変化してきた。描いていると気持ちが落ち着く。いろんな素材に描くし、色塗るのも上手い。はみ出ない。紙粘土でも作る。
その子は人とのコミュニケーションが辛い。空気を読めない。周りの人がどういう人なのかわからないから不安。どんな攻撃をするのかはっきりしているアニメのキャラクターと現実の人間は違う。記号化されていてわかりやすいもの。図鑑化されている物っていうのは安心。アニメのキャラクターの話をすれば共通言語でつながることができる。 ある学級の一人の子どもと1年間をかけて信頼関係を築いていった先生の報告。 「この子の世界を知るためには、この絵がなくてはならなかった。」という先生。その子の心のありようを理解しようとさまざまに関わってきた日々。 その報告と、その子の描いた絵の数々に圧倒される。 絵を描く行為は、自分の気持ちを表出できるし、安定させることもできる。そして、他人を理解することもできる。 さまざまな要因から、心の平静さを取り戻すためにキャラクターの世界に逃げ込み、その世界の力を借りて、現実に戻ってきたその子。 傷つきやすい心の有り様に考えさせられた。 ![]() 2日目の午後からはフリータイムです。ここからは、1日目にできなかった持ち寄った作品を語る時間です。 ・小学校6年生です。コンクリートです。身の回りに沢山あるのに子ども達は手に触れずに終わってしまうので、何か出来ないかとやってみました。木で枠を作って流し込んで作りました。コンクリートを体験させたい。粘土や石膏でも出来るんだと思いましたが、絶対壊れない物を作ってみよう。家の庭にあるよと何年か後に言えるようになっていれば。今回のことで何が育ったのかはあまり言えませんが、コンクリートの素材経験は出来たと思いました。いろいろ考えて作っていた子もいましたし、作ってみただけという子もいました。でも子ども達は気に入っていて、持って帰りたいと言っていましたが、今回のために我慢してもらいました。 ・発展的な素材だよね。もっと薄くしてもいいよね。 ・学級園の花壇に置く物としてもいいよね。表面をツルツルにするのには生乾きの時にコテでなでるんだよね。 ・作っているときは、表と裏が反対なんですよね。呪いの字の作品は土に埋められて2000年後に発見してくれることを考えて作ったということです。 ・同じ物は何回も出来るのか。 ・1回限りですよね。以前はスタイロフォームが取れずにバーナーで焼いたこともありましたが、汚くなるので、離型剤をかけたりラッカーを塗ったりしています。 ・美術はベスト1じゃなくてオンリー1を作る物。沢山同じ物が出来るのではなくて、型は1回しか使えない。だから1つしかないことに価値がある。 ・子どもは重たい物や堅い物にこだわりを持ったりしていませんか。コンクリートなんて扱ったこともないし、そんなこともあって速く持って帰りたい物になったのでは。 ・子どもは他の題材と比べても持ち帰りたい物になった。先生としてもヒット商品? ・そうですね。 ・マーブリングやスパッタリングと同じような感じかも。きっと2個作ればいいのかもしれない。工夫ができる。 ・どうしたか子どもに聞いてみたら。 ・子ども達の工作経験で生まれて初めて壊れない物かもしれない。 ・持ち帰って子ども達がどうするか調査してみます。意外と材料費も安い。 ・せっかくだから材料体験にこだわらないで、何か一言あればいい。 ・何でコンクリートの打ちっ放しに惹かれるんだろう。 ・色だろうね。 ・どっちにしろ触れたことのない題材。 ・もう一つは堅い物が柔らかくなるとして、作らせました。集合制作としてやってみました。 ・展示の仕方も工夫できる。 ・もう1回やると発展する。人間は頭を使うので2回目は何か工夫する。 ![]() こちらも同じ方からのお話がありましたが、朝4時半まで起きていた眠気のピークで記録できませんでした。木でできたかわいい虫たちです。 熱く語る会もとうとう2日目に突入です。2日目の午前は木版リトグラフ。 私自身は、2回目の経験となります。 もともとは石の版画で、平版。学生の時はアルミニウム版で大がかりなプレス台で経験したことがありますが、今回は木版でのリトグラフ。 水が油をはじく関係を利用しての版画です。 薬剤処理したベニヤ版にクレヨンで絵を描き、薬剤で製版し、小型のプレス機で刷る。 初めて経験したときは、専用の板にソリッドマーカーというこれまた専用のペンで描いたものだが、自分としてはうまくいかず苦手な印象を持ってしまったが、今回は2回目ということもあり、それなりに納得のいくものができた。今回話された2回目の経験という意味が実感できた次第である。 普通のクレヨンで描画できるというのもいいし、プレス機を使わずにうどんを足で踏むように、足踏みで刷ることができるというのも面白い。ただし、この場合ベニヤ版独特の木目までは出てこない。木目まで刷りたい人はプレス機で。 前日の夜に捕まえたミヤマクワガタの♀を描いた作品がこれだ。 ![]()
番外編の日程も終了し、参加者はうなかがめーゆの美術館へ。そして夜の交流会で盛り上がり、宿泊用のコテージで更に語りは続く。
仕事を終えて夜からの参加者もあり、コテージに作品を持ってきて、いきなり作品交流が始まったりと、話に花が咲きまくる。 最後の参加者が寝たのは4時半。みんな元気だなあ。 そのときの4時半までのメンバーで話し合ったのが、ある授業についての企画。 中学生は学校行事の後に作文を書く。小学生なら、語彙や作文能力の関係で、作文に書くより絵に描くことが多い。そこで中学校でも、その作文の時間を使って絵日記的に絵と作文を同時に描かせたらどうだろう。自分が登場する小学生の絵とは違い、自分から見た世界や何かのものをクローズアップしたりもするだろう。当然時間の関係で絵の具なんかは使えないので、クレヨン、色鉛筆、全くの鉛筆画や自分の持っている色ペンでもいいかもしれない。A4程度の用紙に絵のスペースと便箋の罫紙のように文章を書くスペースをかっこよく配置して使用する。できれば展示するし、だめでも3年間保存して、きれいな台詞に貼り付けて、まとめて卒業時に返却する。3年間の思い出の作品集になるはずである。なお、時間は美術ではなく行事の反省の時間なので、特別活動などの時間にしてもらうと、必修の美術の時間は保障される。こんな取り組みはどうだろう? と盛り上がった。 酔っぱらいの夢物語であるが、結構本気で考えたものである。まだアイディア段階だけれどもどうでしょうか? < 前のページ次のページ >
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