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うまければいいのか

 一端気にしてしまうと疑惑の目で見てしまうとつぶやいている人もいたが、酒井式や写真の濫用が気になってしまう。酒井式なら知っている人がいるので、最近の巧妙なものならでければどれが酒井式なのかはわかる。しかし、過度に写真を利用した作品造りをしている作品については見極めが難しい。今回気になったのが絵画での写真に迫る写実的な表現の作品。言ってみればまるで絵はがきのような絵である。木々や葉っぱなども写真に迫る描写である。また、その構図も決まりすぎていてプロが撮ったのかと思わせるような観光地だったりもする。主に夏休みの宿題を授業で仕上げたものなのかも知れないが、その場で少しでもスケッチしたのか、それとも自分で写真を撮ったのか疑問に思う部分でもある。そして、表現上でも写真の再現に終始していないかどうかが気になる。絵画独自の表現、透明水彩の特色を生かしたり、ガッシュの特色を生かしたりしているか。今回の審査ではむしろ写実的な追求を目指した作品が選ばれている傾向がある。

 うまければいいのかという意識が気にかかる。

 木版画でも彫りの制約があるので、形を単純化したりすることが必然的に生まれてくる。写真を利用してもそういった版画本来の表現が生まれてくる作品も見られた。逆に版画なのに一見すごくリアルに形が描写されていて感心してみていたら、写真疑惑の声を聞いて考え直したこともあった。
 時数の削減もあり写真の利用はあり得るし、自分自身でも授業で利用している。しかし、写真の焼き直しにすぎない作品造りでは子ども達本来の創造性を伸ばすことにはつながらないのではないだろうか。
by nobuhiroshow | 2007-01-31 07:14 | 美術教育


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