うまければいいのか

 一端気にしてしまうと疑惑の目で見てしまうとつぶやいている人もいたが、酒井式や写真の濫用が気になってしまう。酒井式なら知っている人がいるので、最近の巧妙なものならでければどれが酒井式なのかはわかる。しかし、過度に写真を利用した作品造りをしている作品については見極めが難しい。今回気になったのが絵画での写真に迫る写実的な表現の作品。言ってみればまるで絵はがきのような絵である。木々や葉っぱなども写真に迫る描写である。また、その構図も決まりすぎていてプロが撮ったのかと思わせるような観光地だったりもする。主に夏休みの宿題を授業で仕上げたものなのかも知れないが、その場で少しでもスケッチしたのか、それとも自分で写真を撮ったのか疑問に思う部分でもある。そして、表現上でも写真の再現に終始していないかどうかが気になる。絵画独自の表現、透明水彩の特色を生かしたり、ガッシュの特色を生かしたりしているか。今回の審査ではむしろ写実的な追求を目指した作品が選ばれている傾向がある。

 うまければいいのかという意識が気にかかる。

 木版画でも彫りの制約があるので、形を単純化したりすることが必然的に生まれてくる。写真を利用してもそういった版画本来の表現が生まれてくる作品も見られた。逆に版画なのに一見すごくリアルに形が描写されていて感心してみていたら、写真疑惑の声を聞いて考え直したこともあった。
 時数の削減もあり写真の利用はあり得るし、自分自身でも授業で利用している。しかし、写真の焼き直しにすぎない作品造りでは子ども達本来の創造性を伸ばすことにはつながらないのではないだろうか。
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by nobuhiroshow | 2007-01-31 07:14 | 美術教育 | Trackback(1) | Comments(15)
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Tracked from つくること みること か.. at 2007-01-31 19:23
タイトル : 宮城県造形教育作品展にて その1
 宮城県造形教育作品展に行ってきました。造形教育展は(公立)幼稚園,小学校,中学校,養護学校の作品でもって展示されます。  私は,中学校で指導していた経験もあるため,この県民ギャラリーに展示されるまでの経緯を,把握しております。このギャラリーに出展されている生徒作品は,非常に長い審査を通過して,ここに展示されていることは記しておきましょう。審査方法も多少把握しておりますが,昨年度までの方法と変更になっているかもしれませんので,「賞」については記しません。  会場内でみた光景として,小さいお子さ...... more
Commented by hakusuke at 2007-01-31 19:16 x
美術教科指導者として,非常に考えることの多い内容ですね。写実傾向の作品が好まれてしまう審査。某美術展絵画の審査会のようですね。
写真のような描写。発達段階を踏まえると,好む生徒もおりますよね?私個人としては好みません。色合いであったり,筆圧加減など悪戦苦闘した作品に札つけをしてしまう。また,過度な写実表現にこだわりすぎる指導は,私は実践したいと考えておりません。指導していてつまらないので・・・。1時間ぐらいで充分。やはり,生徒主体の授業でありたいと願うばかり。
写真を見て描くことは,時として有効な指導もあるでしょうが,見極めが難しい時代ですね。私自身,前年度の指導の流れから生徒達は携帯画面あっていう間に希望する画像見つけ,あの小さな画面から拡大して描写する生徒も多いですしね。最近携帯画面見ながら描くことを制約したら,逆に全く描けない生徒も多く,こちらがびっくりした次第。論点定まっておりませんが,感じたまで記してみました。

Commented by hakusuke at 2007-01-31 19:27
昨年実施された,宮城県小・中学校の造形展についてTBさせていただきました。酒井式表現がないわけではなく,恐らく地区審査でつまらない=×になってきているため,県の造形展では酒井式表現はあまり見受けられませんでした。逆に地区展審査が私は気になります。高校美術展は本年の1月17日前後クリックすると数点作品が見られると思います。高校美術展の審査の裏事情?はちょっと控えてしまいましたが・・・。
Commented by st_inori at 2007-02-01 08:37 x
作品展の弊害は各地でいろいろ語られているようですね。近年は、デジカメが手軽になってきて、携帯でも取れる現代。活用しない手はないのですが、多用しすぎたり、それに頼るのはいかがなものかとも思います。
教育美術展であれば、教育という観点があるので、審査基準をきちんとぶれないようにしなければ成りませんね。
と言うことで、空美の会員展が始まりました。絵画、工芸等ジャンルは様々。今回で7回目を迎えるこの展覧会もだいぶ充実し来ていると感じるのは手前みそか?
お暇な時に足を運んでください。
Commented by nobuhiroshow at 2007-02-06 06:49
hakusukeさんst_inoriさんコメントありがとうございます。頭を冷やしながらコメントを読ませていただいています。いろいろな問題をどう解決していくか。きちんと根幹の部分を考えていかなければなりませんね。
Commented by namake at 2007-02-07 16:25 x
こういう所に自分の意見を書き込むのは苦手なのですが、一つ疑問が
あり、思い切って書いてみます。私にも、中学生の子供がいます。美術は大好きです。美術というより、とにかく描くことが好きです。幼稚園の頃から絵を描かない日はないというくらい毎日描いていました。そのせいか、写生会でも写真と思えるほどのきっちりした写実的な絵を描きます。まるでCADのようです。授業時間では描き上がらず、家で描いているのをみて驚きました。本人いわく、ずれない様、画板を立ててみたり、遠くからみたりしてかなり工夫したそうです。(先生から習った訳ではなく自分で考えたということです。)普段、イラストや、漫画などを描く時は、自分の思いを思い切りいれ、空想の世界を描き出します。背景の建物や、風景も想像で描きますが本当に本物の様です。このように描くのが好きな子もいるのではないでしょうか?この子にザリガニの絵のように崩して描きなさいといってもそれは苦痛になると思います。
Commented by miya at 2007-02-28 11:31 x
namakeさんへ
はじめまして。
要は、何を描きたいのか?その作品の中にどんな思いが込められているのか。ということにつきるのではないでしょうか。
技能として高めるという意味で、ご指摘の表現もありでしょう。
そして、描きたいと思う気持ちを中心に進めていくことで、誇張や色の変化、形の工夫 そんなものが広がってくるのではないでしょうか。

短い時間の中のコメントですので中途半端でもうしわけない。
じっくり時間をかけてお話できればと思います。
Commented by namake at 2007-03-06 12:04 x
コメント有り難うございます。私も作品に対する思い、完成した時の達成感、満足感は非常に大切だと思います。どのような形で思いを表現するか、また、それを表現できる技術があるかということも重要と思います。
それは、たくさんの作品を鑑賞したり、作成する中でも養われることなのでしょう。その意味では、美術教育の授業時間の不足、また専任の教員不足は非常に残念です。皆さんの授業内容を拝見させて頂くと、
作品の展示すら学校祭のみの娘の学校との教育の差を考えさせられます。我が子は義務教育からは卒業ですので、何ともいえませんが、小中校の美術の先生には是非とも今後の子供たちのためにも頑張ってほしいと思います。
最後に辛口ですが、掲示板の2月7日のコメントは気になるものがありました。受賞した3人の子供たちがこのコメントを読んだら残念に思うと思います。これは内部で収めておくべきではないでしょうか。公平にいくならば、選んだ多数の方の意見も載せるべきだと思います。
Commented by nobuhiroshow at 2007-03-09 04:28
 namakeさんへ。コメントの返信が大変遅くなり申し訳ありません。
気持ちの余裕が無くなり、ブログを初めてから、1ヶ月以上更新できないという追いつめられた状況に陥っていました。学年末、卒業前のせっぱ詰まった時期の子ども達に向き合ってできるだけのことをすることで精一杯でした。1年前の卒業担任で全国教研に行った時よりも余裕がありませんでした。せっかく勇気を持ってコメントしていただいたのに対応するコメントが遅くなって申し訳ありません。(長文なので以下に続く)
Commented by nobuhiroshow at 2007-03-09 04:32
まず、namakeさんの最初のコメントに対してですが、お子さんが精密な写実的表現の絵を描くと言うことに対して、その表現が自分の目指すところであり、自分の描きたいように描いている訳ですから、そこに自分の思いも詰まっていて、絵を描く本来の姿なのではないかと思います。写実的な絵を描くことを望む中学生に小学3年生の描いたザリガニのような絵を描かせることを私も望んではいません。その子の望む絵ではないと思うからです。また、成長過程で小学3年生の時の感じ方やものの見方、絵を描く時の描き方はすでにできなくなっていると思います。常に変わりゆく自分の中で描きたいように絵を描くことでいいのではないかと私は思っています。
 1月31日の記事の中で、一番伝えたかったことは、審査をする大人の見方が写実的な技量が優れていると見える作品を選ぶ傾向があることに危惧を感じているというです。
Commented by nobuhiroshow at 2007-03-09 04:52
namakeさんへの3月6日のコメントに対して、自分も含めて旭川市の図工美術の先生方でさらにがんばって、いろんな表現方法で周りや大人や教師に気兼ねすることなく、自分の思いをのびのびと表現していけるように、そんな授業を図工、美術の場でできるように微力ながら努力していきたいと思います。
また、2月7日の掲示板のコメントにつきましては、書き込んだ方へ伝えておきます。
namakeさんのお子さんも中学校を卒業されて、義務教育最後の美術の授業を終えられたと思います。私も中学校の美術教師として中学校最後の美術の授業を精一杯務めたつもりです。毎年思いますが、これから生きていく人生において、中学校3年間での115時間の美術が実りあるものになったかどうか? 5年、10年経たないと分かりませんが、 授業をやり終えた今となっては播いた種がいつか実ることを願うのみです。
Commented by nobuhiroshow at 2007-03-09 04:55
miyaさんコメントありがとうございます。
表現にはいろいろな可能性や方法があると思います。また、その人の成長過程によって表したいものや方法が変わってくるのではないかとも思います。とことん写実を極めて表すことで思いを伝えたい人、そっくりに描くことなんかどうでもよい人、様々なのかもしれません。
Commented by miya at 2007-03-09 21:30 x
namakeさんへ
ご指摘の部分は、この部分でしょうか。
「ザリガニはおいておいて、残り3点の写実主義的作品が気になります。ぱっと見、写真を基に描いた?といわれても文句はいえず・・・確かに、それなりのよさと、コドモの思いがあったのでしょうから、入賞したのでしょうが?」
私自身、内部の、というか、同じ立場のものだけが見るもの!と高をくくっていた部分があり、好き放題書いていました。反省いたします。
多くの方がみる場所ですよね。心ないことを書いてしまいもうしわけありませんでした。もし、上記部分(違っていれば、また教えてください)のことであれば、言われなければ私自身気付いていいないことでした。教えていただいたことに感謝いたします。

nobuhiroshowさんもよく言っていることなんですが、あの掲示板にもっと多くの方が来ていただいて、コメントを書いていただけるとうれしく感じているのも事実です。普段あまり、交流できない(忙しさの中での)現状なので、このような場所でだけでも、考えの交流ができれば、何かのときに強いと感じてはいます。ただ、『無理無理!』って口では言うんですが、本音の部分は・・・みんなに見に来てもらって、書いてもらいたい。
Commented by miya at 2007-03-09 21:30 x
子供たちの想い、それを作品の中にいかに多く表現させることができる題材を選び、そして、いかに表現することのできる題材、そして、自分を表現したいと子供が感じる題材を見つけるかが、日々課題です。その結果、写実的な表現になっても、それはいい。子供が、作品について語ることができれが・・結果ではなく、過程を大事にしたいと感じています。

まだまだ、未熟です。ご指摘ありがとうございます。
Commented by namake at 2007-03-09 23:10 x
miya様、ご返事有り難うございます。私が気になったのは、「あれが旭川の代表なのでしょうか?」この部分だけです。写真をもとに描いたかどうかは、本人に聞かなければ解りませんので。写実的な作品についての是非は私には何ともいえません。3作品は確かに写実的ですが、1点はスーパーリアリズムに近いものを求めていくのではという気もします。
写実と具象の境目も微妙な感じがするので。子どもの描く写実の是非については本当になんともいえません。ただ、今の子は漫画的なイラストの技術のある子はかなりいると思います。それが作品の一端にも表れているのかも知れません。これは私の子にもいえることですが。強制ではない、子どもが素直な気持ちで描ける美術の時間であることがまず、大事ですよね。なんだかまとまりの無い文ですみません。みなさん頑張って下さい。
Commented by nobuhiroshow at 2007-03-11 06:14
 miyaさん。namakeさん。コメントありがとうございました。お二人の発言にこの1ヶ月あまり、いろいろ考えさせられました。子ども達のために良い方向へ目指そうという部分は共通すると思います。お互いのできる部分でがんばっていければと思います。
 また、これらのコメントを見て何の『掲示板』かよく分からない方は、リンク先にある「旭川市教育研究会図工美術部のHP」の掲示板を御覧ください。


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