教育美術展の審査

e0040515_721351.jpg 教育美術展の審査に参加しています。
 2日日程の半分が終わったところです。
 全道各地から集まった17,000点余りの作品。それを70数名で審査していきます。
 毎年旭川にも北海道造形教育連盟の各地区委員あてに審査協力の依頼が来ていましたが、いろんな人が参加してみるべきだと意見したところ、今回は私が参加することになりました。
 1月には、旭川市教育研究会でも児童生徒作品展の審査を行うので、現状の審査の問題点を改善するためのヒントをもらえたらという思いもありました。

 さて、9時からの開会式。注目すべきは審査の観点。A4で4ページに渡って作品の例と共にされていて、研究部からプロジェクターで他の作品も投影しながらの詳細な説明がなされる。これがすごくわかりやすかった。
・普段の学校教育活動の中で生まれた作品であること
・子供の学年を考慮すること
を踏まえて審査にあたるように考えている。

 幼稚園なら、『指導性の強い、画一的な絵よりも、個性を重視したい!』
『楽しく描いている』かどうか。『発達段階上無理のない表現である』、『お話が聞こえてくる』など、月齢差を考慮しながら観点をまとめている。

 小学校なら、各学年ごとに学習内容に関わる部分と表現したい心に関わっての『自分らしさが感じられる絵になっているか』どうかを中心にさらに細かい観点やキーワードを詳細にまとめている。
 中学校なら、関心・意欲・態度面で、『満足感が伝わってくる絵』、発想・構想の能力では『感動・対象への思いや愛情が感じられる絵』、創造的な技能では『意図したねらいを的確な表現が読み取れる絵』とまとめ、絵画領域、デザイン領域として細かい観点もまとめている。
 
模擬審査を行い、奨励賞とするならどちらがいいのかということを検討し、投影した2点の作品のうちこんな視点で選びましたと説明してくれました。つまり札幌では、子どもの絵をこのよう見るべきですと、明確にしていっている。この地道な共通理解が今年で33回になる教育美術展を続けてこられた大きな要因となっているのではないだろうか。

e0040515_7214981.jpg 実際の審査では札幌市の5,6年生及び、中学生のグループに配属となり、まるでベルトコンベアーの様に流れてくる作品の中からこれはという作品を選んで、その中から入選以上の作品を選んでいく。奨励賞候補も決め、あとは、全員による審査で奨励賞を決定する。
 こう書くと簡単だが、何しろ量が半端ではない。5年生だけで1時間半近くかかる。このグループだけでも2,909点。よく見たものである。
 15:00よりの全体審査が予定より遅れて始まり、幼稚園から奨励賞を決めていく。審査グループごとに説明しながら、指導者の教え込みでなく、子ども自身が楽しんで描いているか? それが伝わってくるか? 北海道造形教育連盟としてこの作品を奨励していいものか? などを意識しながらいろんな立場で意見を出し合い決めていく。これがすごく勉強になる。「これは大人の線だ」「この絵の具の濁りが子どもらしい迷いや楽しさが表れている」など、いったん決まりかけたものがひっくり返ったり、作品に込められた子どもの良さを見つけていく。途中でネットワーク会議のために中座することになり最後まで見ることはできなかったが、研究部の名司会ぶりで順調に進み、それでも18:00近くまではかかったようである。これを毎年行う札幌のみなさんの協力態勢には頭が下がります。

e0040515_724581.jpg この教育美術展では、学校や学級の出品数に制限を設けているわけではなく、学級全員分の出品ができる。審査する方は大変なのだが、指導者が数点絞って出品するよりも可能性が広がる。労力はかかるが審査はやりやすいと思う。また、奨励賞を決めたように全員で意見し合って作品を決めるというのがいい。自分の担当学年だけでなく、全体を見渡せて、いろんな意見を聞くだけでも子どもに対する見方が変わり、幼・小・中の連携になる。旭川でも参考になる部分が見えてきたような気がする。

 そろそろ時間です。2日目の審査に行ってきます。
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by nobuhiroshow | 2006-12-27 07:18 | 美術教育 | Trackback(2) | Comments(9)
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Tracked from 美術と自然と教育と at 2006-12-28 07:21
タイトル : 教育美術展の作品審査に参加しました
  教育美術展の作品審査に参加しました。小学校の体育館で2日日程で行っています。実は「北海道教育美術展」の作品審査から避けていたのです。自分が矛盾するのがわかっていたからです。個人的には幼稚園(小学校低学年も?)の作品審査をすべきではないと思っていますし、もしかしたら功罪の「罪」の部分が大きいように感じていたからです。  しかし、 北海道造形教育連盟にお世話になっていながら、おいしいところだけでよいのかと、なんだか自分が卑怯に思えたのです。数年ぶりの参加になりました。  それにしても17000点も...... more
Tracked from 北海道の造形教育を考える at 2006-12-30 21:17
タイトル : 06年12月27日〜28日
「北海道教育美術展」の作品審査が2日間にわたり、澄川西小学校で開催されました。 審査は札幌を中心に空知、石狩、釧路、留萌などの造形教育連盟会員によって行われました。 審査についての論議が非常に勉強になります。なお来年、審査に参加されたい方は、地元の造形教育連盟事務局にお問い合わせください。  なお、ネットワーク部会や懇親会も開催されました。 なお教育美術展の審査結果等は07年1月4日の北海道新聞で公表されます。 ☆ ハートでアート「教育美術展の審査」... more
Commented by yumemasa at 2006-12-28 07:32
参加、お疲れさまでした。今回は遠い所は釧路からも参加があって感激でしたね。記事もくわしくてわかりやすいです。帰りは付き合っていただいてありがとう。
Commented by 事務局@空美 at 2006-12-28 22:50 x
お疲れ様でした!今年は10年研で昨日まで大学に・・・
審査に行けなかったのは残念です。
美術展自体に賛否はあると思いますが、この審査会の雰囲気は結構好きで、例年参加していました。
多くの人の意見(見方)を聞ける機会って、あまりないですよね。

でも、大学の研修も参考になりましたよ。
いや~、楽しかった。
今度その話でも・・・。
Commented by 森 実 at 2006-12-30 15:18 x
審査に参加していただき、ありがとうございました。

審査の目安は、模擬審査に参加してない先生にも分かりやすいようにと考えて作成したので、本当に嬉しく思います。
1日目は時間が押してしまい、遅くまでの作業となってしまいましたが、
たくさんの方々の意見を聞くことができ、
大変収穫の多い審査になったと思っています。
是非、来年もいらして下さい。

Commented by nobuhiroshow at 2007-01-06 10:12
中澤さん。この審査は本当に勉強になります。できれば今年も顔を出したいと思っています。大学の研修についても機会があれば教えてください。今年の空美の活躍も期待しています。
Commented by nobuhiroshow at 2007-01-06 10:15
森 実さん。コメントありがとうございます。模擬審査もする徹底ぶりで、審査の観点はとてもわかりやすかったです。この2日間の審査が作業だけでなく、研修としての役割も果たしていますので、是非次回も参加させていただきたいと思います。2日間ありがとうございました。
Commented by tomohiro-koba at 2007-01-13 01:47
はじめて、北海道造形教育連盟の小林です。年末の審査会ありがとうございます。またネットワーク会議では、各支部での活動内容が交流され充実した時間になったように思います。また、その内容をブログ発信していただけるのは、大変ありがたいです。今後ともよろしくおねがいします。
教育美術展の奨励賞の作品をHPにUPしましたのでご覧下さい。
Commented by nobuhiroshow at 2007-01-17 06:54
小林さんコメントありがとうございます。冬休み中は雪かきに追われてブログをご無沙汰してました。旭川市教育研究会図工美術部へのリンクもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
今日から3学期になります。がんばりましょう!
Commented by hakusuke at 2007-03-06 23:46
先程,つくることブログにエントリーした内容から。北海道教育美術展の作品。日文サイトに少し紹介されておりませんか?TBしようかと思いましたが,間違っていたら?なので,あえてTBしませんでした。
また,先生がエントリーされた内容をリンクさせていただきました。
Commented by nobuhiroshow at 2007-03-09 05:40
hakusukeさんコメントありがとうございます。あのとき審査した作品達に久しぶりに対面しました。北海道造形教育連盟とのリンクがされていると言うことなんでしょうね。


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