最後の磨きは手 「心のかたち」〜石彫〜

e0040515_663379.jpg

以下は、わくわく部門に出品した時の説明の文章から

中学生最後の作品として、カッターでも切れる柔らかい高麗石(35×35×80)を用いて彫刻を作る。心をテーマに制作する。ただし、抽象的な作品であること。

見えないものをつくりだす
何かを見てそのかたちを再現しようとする写実表現や、だれもが見てわかる具象的なかたちとは異なり、作者の感情や感覚からスタートしてつくりだす今までにない新しいかたち。それが抽象彫刻。私たちの心の内には、さまざまなかたち・色のイメージがあります。感じたままスケッチをしていくことによって、だんだんとかたちが生まれてきます。イメージを整理しながら、自分にとって意味あるかたちを作りだしてみよう。

題材の制作過程
〈アプローチの仕方〉
1 「喜び」「怒り」「悲しみ」などの感情を形で表してみる。
2 「柔らかさ」「鋭さ」「暖かさ」など、言葉のイメージを形にしてみる。
3 「ツンツン」「ギュウイーン」「フニャフニャ」など擬音のイメージを形にしてみる。
4 具象的な形を単純化あるいは強調化することによって、新たな形を生みだす(鳥、羽、怪獣、花、こぶし、波、月などなど)
最初はとまどっていた生徒達も、石の持つ柔らかさ、白さ、重量感などから、次第に自分のアイディアをまとめていく。参考に見せた映像も効果があった(※空知の先生の見本DVDが参考になりました。岩田先生ありがとう)。

題材の感想(指導中、指導後)
デザインが決まったら、大胆に電動糸のこでカットし、細かいところを手動糸のこで、あるいは、糸のこの刃のみをもって、慎重にカット。ボール盤で穴を開けたり、石材用の印刀、木材用の彫刻刀で削り、スポンジ研磨剤(※これが大活躍、昨年は2種類使用し、今年は4種類使用)、紙ヤスリ、棒ヤスリなどで、形を整え、ピカール、最後は自分の指や手のひらで磨きあげる。彫っていくうちに、石の素材によるひらめきから最初の計画から発展してさらに新しい予想外のかたちも生まれていった。生徒達にとって立体でありなおかつ抽象的なイメージを生み出すことは、予想はしていたものの難しいようであった。しかし、受験時期の生徒達にとっては、石という始めての素材は制作に浸り込める充実した時間でもあった。昨年度より取り組んだ題材であるが、この生徒の取り組みを見る限り、今後も続けていきたい題材である。
e0040515_67284.jpg

今思うこと

2年目の実践であり、昨年度の作品を見ているので、生徒達はプラスアルファーのかたちを考えていった。一度切断して接着する。ジェンガやクロスワードパズルのようにピースに分けて展示の時に組み合わせるなど、発想の上でも進化が見られた。昨年初めて取り組んだときは、金属磨きのピカール仕上げで終わらせていたが、ピカール以上の輝きを出した生徒がいて、秘密を聞いたところ、自分の手のひらで磨いたそうである。手のひらの掌紋や指の指紋の微妙な凹凸での磨きで最後の磨きの仕上げをする。最後に石に命を与えるような仕上げの時間。約10時間前後で完成までたどり着いた。「心」というテーマ性についてはまだ追求できていない部分があるが、制作方法についてはある程度わかってきた。今後はどう「心」に迫るかである。また来年への課題が増えた。
[PR]
by nobuhiroshow | 2006-03-15 06:08 | 表現 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://nobush.exblog.jp/tb/2991162
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< 大活躍 スポンジ研磨剤 最後の作品を返しました >>