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根は同じ 図工も美術も

根は同じ 図工も美術も_e0040515_6552464.jpg教職16年目にして初めて『小学校学習指導要領解説』を読んだ。続けてその解説本である『小学校学習指導要領の展開 図画工作編』をやっと先日読み終えた。きっかけは10月の研究授業で造形遊びの授業を参観したのがきっかけであるが、それまで漠然とイメージしていた小学校の授業の考え方が少しずつわかりかけてきた。まずは文部省発行の指導要領解説。小学校、中学校での9年間がちゃんとつながっている様子がわかる。

さらにその西野範夫編著の『小学校学習指導要領の展開 図画工作編』を読むとさらに具体的にイメージしやすくなっている。西野先生は全道造形研究大会の旭川大会の時に講演していただいており大変お世話になっているが、なんだか読んでいてすっきりとした感がある。

「例えば、子どもたちにとってかかわりのある作品などに対して、自分のかけがえのなさ(誰とも取りかえることのできない私であることの根拠となるようなもの)がかかわる〈感じる、考える〉を働かせてかかわり、自分にとって何ごとかの意味を感じることになります。それを自分にとっていまだかつて経験したこともなかった、例えば、面白さや快さ、新しい意味を感じるものとしてとらえることになります。それは新しい意味やかたちをつくりだすことでもあります。」(100p)と述べているように鑑賞も意味生成の行為である。

根は同じ 図工も美術も_e0040515_6553579.jpgまた、「以上のことから、表現及び鑑賞の活動は、子どもたちが自分の〈感じる、考える〉によって新しい意味をつくり、つくりかえ、つくりながら、自分をつくり、つくりかえ、つくり続ける行為であるということになります。そしてそのことが実感することができるときはじめて喜びを感じることができるのです。図画工作は、このことを造形的な行為によって実現することをめざしているのです。」(101p)ともある。美術も全く同じだと思う。

「自分が表現しつつあるかたちから働きかけられ(感じさせられ)、そのかたちに働きかける(なにごとかを手がける)こと」が相互作用であり新しい意味やかたちをつくりだす。

以前、中学校での解説本である『新中学校教育課程講座 美術』(ぎょうせい 遠藤友麗)を読んだときは、これから美術が生き残るために誰もが分かる教科性が必要なんだと考えさせられたが、今回『小学校学習指導要領の展開 図画工作編』を読んでみて図工も美術も根は同じであるという原点をとらえなおさせてもらった気がする。
まだ読んでいないが、幼稚園教育要領解説も届いた。こちらはカラフルな表紙で小学校、中学校とは違うイメージ。これも後で読んでみよう。
by nobuhiroshow | 2006-02-21 07:02 | 美術教育


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