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答えは作品の中にある

答えは作品の中にある_e0040515_21524914.jpg千住博(せんじゅひろし)、野地秩嘉(のじつねよし)著の『ニューヨーク美術案内』を読んだ。
2年ほど前に千住博の大徳寺聚光院別院襖絵、全七七枚の制作風景のテレビ番組を見てから、注目していた人。
『千住博の美術の授業 絵を描く喜び』(光文社新書)、『美は時を超える 千住博の美術の授業』(光文社新書)と書店で見つけるたびに購入。特に『絵を描く喜び』は絵を描く者としてどうあるべきか、千住博が語ったもので感銘を受けたものである。

その千住博が関わった『ニューヨーク美術案内』。野地秩嘉に美術館での楽しみ方を伝えた内容である。
「日本と違って、談笑しながら鑑賞するニューヨークの美術館。堅苦しい教養としての美術ではなく、作家とのイマジネーションをめぐるコミュニケーション。あなたはいったい何をやろうとしたのですか?という作家との心の対話」には、うらやましいことこのうえない。自分なんかは独りで美術館に行くことが多いので、互いの感想を話し合いながら作品を見られたら面白いはずである。

千住博が美術館から学んだ大きなことは、「答えは作品の中にある」ということだそうである。自身が迷った時に作品から答えを見つけ出すためにも大切な場所にもなる。

人間の描いた作品なのだから、作品から50cm離れて前に立つと作者の視点になれる。

彫刻で言ったら「見る者が彫刻の周りにどれだけ深々とした空間を感じることができるか」に尽きます。

現代美術などでも「わからないものはわからないでいい」

「困ったら耳を見る」 画家の無意識が現れて技量も推し量れる。

などなど、美術館を楽しむ様々な視点が盛り込まれてたのしく読めました。
by nobuhiroshow | 2006-01-14 21:55 |


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