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「東北の皆さんに見てもらいたい」

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 中学3年生の美術で取り組んだポスターの授業が終わりました。その中の一人の生徒が東日本大震災をテーマにポスターを作成しました。震災から4年が経ち、このことをテーマとする生徒は減ってきており、今年はこの生徒一人でした。
 その生徒は、ポスター完成後に「制作を終えての感想」を記入する欄に、コメントをびっしり書き込みました。その書き込みを見て、「このポスターを実際に東北の皆さんに見てもらうことはできませんが、1日でも早く、東北の方々に笑顔になってもらえたら私がこのポスターを作った意味があると思います。」という強い思いを知り、私のブログで紹介して良いか、相談しました。生徒本人がインターネットで公表するのが一番だけれど、できないのであれば私のブログで紹介して良いかどうか。生徒本人からはすぐにOKをもらいましたが、著作権の問題もあり保護者の承諾も必要ですので、後日承諾を頂きました。それが、このポスターです。

 このポスター、絵の具は使っていません。緑色の東北地方以外は色鉛筆やクーピーです。緑の東北地方はクレヨンかクレパスを使っています。色鉛筆でハートのグラデーションを作ったり、文字をあれだけ強く濃く色鉛筆で塗るのはかなり大変なのですが、その生徒は毎時間集中してやり遂げました。あまりに色鉛筆で黒を濃く塗ったため、写真撮影の時には、フラッシュを反射してしまい、今回の写真のようになりました。

 その生徒の「制作を終えての感想」です。
「今回”東日本大震災”についてポスターを描きました。私は小学6年生の時、小学校のスクールバンドに所属していて、大会の遠征で宮城県仙台市に行きました。仙台の中心部は震災後と思わせないほど復興が進んでいました。ですが、バスガイドさんのお話や実際に被災した建物の跡地を見た時、とても言葉では言い表すことのできないような何かを感じました。そして、この美術の授業でポスターを作ることとなった時、真っ先に東日本大震災が浮かびました。最初は「忘れない」というような言葉を入れて、、、と思ったのですが、やはり被災した方々へ何かを伝えたいと思い、このポスターの言葉にしました。震災から、来年の3月で5年が経ちます。被災した方々の中には、まだ大切な家族が見つかっていない人、前に向かって歩んでいる人、、、などいろいろな人がいると思います。このポスターを実際に東北の皆さんに見てもらうことはできませんが、1日でも早く、東北の方々に笑顔になってもらえたら私がこのポスターを作った意味があると思います。(工夫したとろこ)東北の色を2色で分けてデコボコ感を表しました。文字は見やすさを第一に重視し濃くしました。」

 是非、東北の皆さんにこの生徒の思いが届いてくれたらと願っています。
by nobuhiroshow | 2015-12-16 06:12


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