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稚内の報告(その11)  雨のなかで遊ぶ 子どもの思いとの関わり

○教科書にはいい題材がないな。地域の題材で雨降りの絵を描こう。わたしも雨が好きなので、2時間くらい外で遊びまくって、親にも知らせずに、学校にある着替えも全て出して、雨降りで楽しんだ絵を描こうとやりました。いっさい指示を出さずに2時間集中して取り組みました。「生き生きした絵ができたね」と、他の先生からも言われました。他のことで体験できない思いができたなと思いました。体験したことを絵にすることが大切だと思っていました。本物を描くとしては15分クロッキーをずっと続けています。15回くらいやると子ども達も概念で描いてしまいます。それなら足から描いてみようとやってみました。お人形さんは頭から描きますので、概念崩しにはなったなと思います。体験の喜びを伝える題材も必要だと思います。
○低学年は詳しく描くのが難しい。2時間いっぱい雨の中で遊ぶ。そしたら2年生でも2時間集中して絵を描く。そんな繰り返しが技術の向上にもなってくる。技術と思いは対局ではないのでは。

○ 絵手紙の実践で、最近いいなというのは身近なもので表せる。思いをはっきりして、伝えたい相手も明確である。しかも上手下手が問題ない。それがとてもいい。そしたら、来週の公開研でやってみようと思っています。先ほどの方は買ってきた野菜をという話でしたが「秋を感じさせるもの」としてやってみたいと思っています。

稚内の報告(その11)  雨のなかで遊ぶ 子どもの思いとの関わり_e0040515_18541821.jpg○10年近く実践しているものです。「今私の手の中で」、自分の将来の夢や希望、今大切なもの。顔だったり、手だったり、生徒の考えが違いますが、ここの子ども達は表現は嫌い。アメガムは好きだし、チャイム着席もできないし、スカートは短くてパンツ見えるし、でもかわいいんです。この子はオレンジレンジやエグザイルが好きでした。彼は音楽好きでした。今度CD持ってきて、先生にもコピーさせてといって言うとどんどん進めました。私邦楽聞かないのでわからない。もっとコピーして、したらまた描く。色つけたら、としたら、蛍光ペン。見た目はぱっとしません。けどちゃんと題名を聞いていたり、リーゼントでが体格も大きいですが、気持ちは小さいです。そこを関係づけています。この子は全く絵を描かない子でした。美術が嫌い。先生じゃなくて絵を描くことが嫌い。彼女はしっかり描いていません。評価の問題もあります。この子が100%ならこの子は30%です。そこを残り3ヶ月でいかにあげて関わるか。自分との対話を避けています。
○一見できているようでも内面が表現されていない。見えるものと見えないものの問題ですね。

稚内の報告(その11)  雨のなかで遊ぶ 子どもの思いとの関わり_e0040515_18543357.jpg○自分の絵手紙も持ってきています。レポートにものせていますが、自分にとって大切な○○です。対人物ではない。自分に文章を書いてもらったものです。画材もこだわりませんでした。下にコメントを載せています。目の前に卵をのせていますが、自分だけのもの創っています。絵手紙は2年生、卵は3年生。今年は平和な学校でしたが、去年は大変でしたが、中学生はなかなか出してくれません。会話をしながら、コミュニケーションしながら進めています。自分が思ったことや、経験したことを流さないいで、見つけたり、気づいたり、させたい。自分に立ち返ってもらいたい。それを表に出してもらいたい。今ここに作品はありませんが、卒業に向けて、切り絵で表現しています。一人は絶対に書きたくないという子。親に離別だとかもある。とりあえずほっといて、この間書いてくれました。「先生書いた」親のことで、「おにぎりをいつも作ってくれている。ほんとは別の具の方がいいのにな」という文。もう一人は単純な一本道の道路。自分の家は3人兄弟でした。一人はバイク事故で亡くなってしまいました。バイクなんか嫌いでしたが、兄にバイクに乗せてもらったことがありました。凄く短い一本道ですが、そこが凄く長い道に思っています。思いが足し算で増えていって、排除しようと思った思い出も増えていって、あふれ出そうと言うときに紙を渡せば表に表すのではと実感しました。

 卵については紙粘土です。触ってください。ツルツルぴかぴかに恐ろしいほどこだわっています。自分だけの卵。うれしかったのが、手の温かみが移って「ほんとの卵みたい」という会話。そこがいい意味で気づいてくれたのではと思います。これは今年限りかな。改良版を考えています。レリーフは失敗作です。思いを込めていますが、絵手紙をそのまま写しています。思いを持続しなければできない。絵手紙で気持ちを終わらせている。では子ども達は縁日の型抜きの面です。大失敗です。技術面だけのものになってしまいました。指と顔です。指はよく見て、概念で書いてしまう部分。絵に対して自信がない。パーツごとに描くと抵抗がない。描かせているうちに毛も描けよ。生徒から「気持ち悪い」と言われて、「現実のものは気持ち悪いんだ」と手形の形からはみ出すように貼ってみました。指1本1本に対する思い出を描いてもらいました。自画像は福笑い式で描かせました。気持ち悪いぐらいに良く描きます。顔の輪郭は輪郭で描きます。そのまま凸版画にして仕上げます。これがいいのか悪いのかはまだ分かりません。自画像ですけど、周りの子に聞きながら自分の印象を確認しながら書き足しています。
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by nobuhiroshow | 2005-11-15 18:50 | 全道教研


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