ここ4年の仕事納めは札幌の教育美術展。 昨年からは審査研修会となり、審査という作業をイメージするイベントから、研修という学びあいへと名称を変更している。 造形連盟会長の菅原先生からは、「子ども達が持つ形マグネット、色マグネット、動きマグネット、イメージマグネットでその子らしい形や色などを選んで造形活動を行われる。その活動を教師もマグネットを持ち、引き寄せる磁力を使いながらみとる能力を持つ。あたかも磁場を形成するかのように。」と、福岡大学のCMを参考にしてのお話がなされた。 今年は、新型インフルエンザの影響もあり、出品数が若干減っての1万7千点の作品の審査となる。 審査キーワードとして ○子どもの生活からモチーフが生まれ、子どもの声が聞こえる表現 ○画一的な手順からなる技法より、自らつくり出した形や色を使った表現 という2点を審査の共通事項として 幼稚園、小学校1・2年、小学校3・4年、小学校5・6年、中学校と発達に応じた規準ももうけ、昨年の奨励賞の作品を前に説明がなされた。 特に次の2点は強調されていた。 1 子どもの生活との繫がりはどうか 2 画一的な手順からなる技法(=ドラえもんの絵描き歌、誰でも同じ絵が描ける)と透明水彩技法の風景画(基本的な技法、自分で絵を作り出すために必要な手段)を混同しない。 審査研修会は2日間に渡って行われ、札幌(幼稚園、小学校1〜3年、小学校4〜中学校)や道西ブロック、道東ブロックに分かれて審査を行い、100点ほどの奨励賞についても、その他の入選についても最後は全体での審査で意見交流を行いながら確定していく。 時間はかかるものの、この全体での審査が非常に勉強になり研修としても意義深いものになる。だから4年も通い続けているのだと思う。 全体の審査を通してメモを取りながら気になった点をまとめると ①生活とのつながり( 生活とかけ離れている題材など 題材に問題があるものについては見直しが必要) ②その作品が指導者に描かされたのか、自分が描いたのか(指導過多ではないか? 自分で色やかたちを探しているか? ) ③自分の思いの強さは、大きいか小さいか(思いを素直に表しているか、絵が説明的になりすぎていないか) ④絵の中に自分がいるかどうか(姿だけでなく、思いとして②や③とも繋がって) ということに集約される。 札幌市の先生方を中心にして、北海道造形教育連盟の他の地域の地区サークルやネットワーク担当の先生も集まった。その中でも石狩から多くの先生が参加している。遠くは釧路から2名、その他にも網走、留萌、旭川からも審査に加わっている。可能であればさらに多くの先生方が集まり研鑽を深められれば,審査もAll北海道となり本当の北海道教育美術展になるはずである。
by nobuhiroshow
| 2009-12-31 14:57
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